IMG_5765 もともとこの週末は東京に行こうと思っており、「せっかくだし他にもないかな」と探しておりまして。するとちょうどこのタイミングで由美子さんも舞台があるということがわかり「そりゃ行かないとね」となりました。



 この物語は2002年に発覚した久留米の看護師4人での保険金殺人事件が下敷きになっており、あとで事件の概要をを見ると2人目の殺害前にフォーカスを当てて舞台を大阪に変えてのものとなっています。そのなかで4人の「お金」と「人間模様」を丁寧に描いておりました。


 まあひとつ思ったのは「私もだいぶ汚れてるよねえ」でして。いくつかお金のはなしが出てる場面で「ああ、これは騙されないな」と思う場面がいくつかあって、それはやっぱりヨシダが言ってた「何も知らないことの弱み」なんだと思います。その世界は知らないと恐ろしいんだけど、実はいちばん恐ろしいのは「知らないということ」で知らなければ漬け込まれてしまうんだ。


 舞台はイシイの夫を殺害する直前で終わりましたが、4人の性格というか立ち位置というかもしっかり見えました。「たぶんイシイが耐えられなくなるな」という予想をしていたのですが、実際の事件はやはりそうなったようです。そんな人間模様をしっかりと描き切っているのが脚本のよさでもあるし、演者の力でもあると思います。


 興奮をしたりとか感動をしたりとかの「瞬発力」はないけれど、「実際に巻き込まれたらどうするだろう」と考えさせられる物語でした。その余韻は、しばらく続いていくのかもしれません。