image もちろんクラムボンというアーティストのことは知ってたわけですけど、最近はロックちゃんのライブでミトさんがベースを弾いてたりしててちょっと親近感も出てきつつありました。そんななか、なにやら「会場限定でCDをリリースするらしい」というはなしを目にして「へえ、気になるなあ」とは思っていたんですね。ということで調べてみると、どうやら動くのが遅かったようで大阪公演はソールドアウト。ただ神戸公演なら余裕があったので、「じゃあ行ってみよう」となりました。
順番はちょっと前後しますが、まずMCのはなしをしましょうか。去年20周年を迎えたクラムボンが今回「直売」ツアーをしている理由を割と時間を割いて話しておりました。ざっくり言えば「メジャーでは僕たちまで回ってこなかったお金をきちんともらえるような体制にして、そこで増えたものを機材とかもっと「音」に還元したい」ということですかね。これに関しては「言いたいことはわかるけどメジャーを離れる理由としては弱すぎるな」というのが率直な感想で、たとえば「僕たちですでに関係ができてる」と言った人たちに「メジャーにいなくても出会えたのか」という疑問がありますし、その理由をそのまま受け取ると「育ててくれたのにまったく恩返しせずに出ていく」とも取れるわけです。アンコールのMCで「(レコード会社とは)いい関係ができてる」と言ってたしもちろんそんなことはないでしょうから、「そこまでしか言えない」ということなんでしょうね。

そのはなしで言えば、このライブのチケットは2500円でした。これ、「ワンマンライブと銘打つなら『どんなアーティストでも』最低そのくらいはかかる」というクラムボンというアーティストから見れば破格も破格な値段で、そこにも「今回のライブを見てもらいたい」という思いが見えます。そして「CDやグッズが売れたから追加公演ができる」ことになったそうで、その思いはみんなにもきちんと伝わっているんですよね。

そんなライブは今回発売されるCD「モメント」に収録されている曲を中心として、2曲目にデビュー曲「はなればなれ」があったり、「11年ぶり(「神戸が」かなあ。「チキンジョージが」かも)なのでひさしぶりの曲をやります」ときたり、昨年リリースした20周年記念アルバムからの曲があったりと盛りだくさんでした。そういえば最後から3曲目くらいだっけ、お客さんがいちばん盛り上がった曲をまったく思い出せなかった自分がいます。クラムボンってライブ的にはいつかのARABAKIでちらっと見たくらいで、90年代に出されたシングルは大体知っているくらいの知識なので、「これが代表曲だ」と言われてピンとこなかった感覚でしょうか。我ながら偏ってるなあやっぱ。

彼らがいちばん言いたかったことは「クラムボンはまだまだ続いていくので、これからもよろしくお願いします」ということだと思います。このような形で全国を回って挨拶をするその謙虚さも彼らの魅力だと思いますし、そうやって「今の彼ら」をしっかり届けていくことができるのなら大丈夫なんだと思います。「これからもおもしろいことをしていきたい」って言ってましたっけ、次はなにを見せてくれるんだろう。

今回のアルバムは会場限定なので、昨年の20周年記念アルバムはこちらです。
triology(初回限定盤)
クラムボン
日本コロムビア
2015-03-25