image いや、小谷美紗子が大阪に来るのならやっぱ行っておくべきでしょう。他の2人も見たことないけど名前は「大御所として」知ってるし、素敵な夜にならないはずはないとGANZ toi.toi.toi.までやってきたのでした。
まずは小谷美紗子が登場し、全部で50分くらいあったのかな。いやいや、もちろん知ってたけどさ、その世界に圧倒されまくりでございました。
「金子さんにこれ歌ってる人やろって言われてうれしかったので歌います」というMCから歌った「自分」、改めて聴いてるとメロディーはオーソドックスなんですよね。そのなかでとにかく個性的な声と切れ味の鋭すぎる歌詞がきちんと「小谷美紗子の世界」として乗ってしまうのは、もう才能以外の何者でもないと思います。しかもこれ2ndシングルだから二十歳そこそこで書いてるわけで、その年代でこれだけのことができてるアーティストが今どれだけいるのやら。今日は「大御所の前ということもあってちょっと緊張してる」という話もありつつ、それに恥じないステージを見せていたと思います。

続いて渋谷毅がソロでピアノを演奏したあと、その伴奏で小川美潮のステージでした。なんだろなあ、あの不思議な感じは。
MCを聞いてると紛れもなく「不思議ちゃん」な印象で、その割にうたはオーソドックスな世界を作ってるように思えたかな。あんまわかんないし、もともとの彼女の印象を知らないのでかなり外してる可能性もあるかなと思いつつ、「昔のソロアイドルってこんな感じだったのかも」と思いながら聴いていましたっけ。ちゃんと歌えてるけど個性はそこ以外にあって、でもきちんと個性的だもんな。

そのあと短い休憩をはさみ、渋谷さんの伴奏で金子マリが登場しました。曲順は直前に打ち合わせて決めていたようで、それだけのレパートリーがあるっていうことだろうな。
1曲目で「なんかブルースっぽいなあ、でもブルースって淡谷のり子くらいしか知らないんだよなあ」なんて思いながら聴いていたら、直後のMCでほぼ同じことを言っててちょっとおもしろかったり。昔は「下北のジャニス」と呼ばれていたそうです。それにしてもとにかく歌がうまかったなあ。なんていうんだろ、全然難しいことをしていないのにきちんと自分の世界を見せることができてるというか。それが長年にわたって第一線で活躍してきたということだと思うし、それだけの実力を持っているからできるってことなんだろうと思います。

そして最後のパートは小川美潮さんも出てきて3人でのステージでした。いやさ、全然関係ないかもしれないけど、なんだか最近のメロキュアの動きとちょっとかぶって見えてしまって。美潮さんが好き勝手に作ってる世界をマリさんがしっかりまとめてて、それが「2人でメロキュアだったら10年くらいしたらこんな感じになってたんだろうか」と変に感傷的になってしまったんですよ。いろんな意味で悪いことかもしれないけれど、それだけメロキュアの存在が今は大きいということですかね。

そう、そんなはなしといえば。金子さんと渋谷さんの出会いは19歳の頃で、その場には石田長生さんもいらっしゃったそうで。私と石田さんの出会いは本当に遅くてはせがわかおりを通じての出会いだったのですが、それでも去年の新春には元気な姿を見せていましたし、ニュースを見たときには「まさかそんな」という思いがありました。金子さんはソロでも1曲ありましたが、ダブルアンコールの1曲目が(曲名とかは全然わかってないながら)おそらく石田さんに宛てた曲で、その気持ちが伝わってきてとにかく圧巻のステージでした。あの曲が聴けただけでも今日いった価値はあったように思います、って小谷美紗子を見にいった人が言うセリフではないか。そして最後はなんだっけ、美潮さんの明るい曲で、かなりいい雰囲気で夜が更けていきました。