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いやね、なんかアルファで「華原朋美が京都に来る」ってしきりに宣伝してまして。そしてある日はその先行予約までしてしまうものだから、ついついチケットを取ってしまったのです。

私たちの世代なら、彼女を知らない人ってほとんどいないですよね。デビューからここまで順風満帆ではなかったとはいえとにかくいままで続けている彼女、もう見ておくしかないよな、となりました。
今回はそのタイトルが示すとおり、京都市交響楽団がヴォーカルをゲストに迎えて演奏する形式の4回目で、過去にはJUJUやSalyuなどが出演していたようです。まずは小オーケストラ形式っていうのかな、すこし少ない編成で登場して前半がスタートしました。

前半は「M」などのカバー曲から「たのしく たのしく やさしくね」だっけ、などのオリジナル、そういえばパイプオルガンなんかも使ってたんだよな。実はカバー曲からスタートしてそのあとオリジナルを歌ったときに「あれ、オリジナルのほうが歌えてないかも」なんて思ってたりもしましたっけ。たぶん、それは楽曲の「難しさ」だと思うんですけどね。

いや、でもあの声の存在感はとってもよかったなあ。彼女ってあんまり声に抑揚があるタイプだとは思ってなかったのに、実際はきっちりカバー曲も自分のものにしてたし、感情もきっちり出ていたし。

そして後半はフルオーケストラでオリジナルからJUJUのカバーまでたくさん聴かせてくれました。特に「I'm proud」のAメロアレンジがとにかくかっこよくて「今日の音源って出ないのかなあ、もし出たら買ってしまいそうだ」なんて思ってたりもして。普段あんまり「ライブ音源を手元に置いておきたい」と思うことはないので、それだけ完成度の高いステージでした。

彼女自身フルオーケストラでライブをするのははじめてなわけで、ということは「どうアレンジするか」もお手本がない状態で挑んでるはずです。そのなかであれだけのライブをした彼女ももちろんそうだし、そのアレンジをした方々のすごさをまざまざと見せつけられたように思います。アレンジは京響の担当だったんだろうか、そこは経験とかの差なんだろな。

そしてアンコール。ここぞとばかりたくさんしゃべっていた彼女、そのなかで「うたわなきゃと思いながら、今日は感情のままに歌ってしまって」なんてことばがありました。そう、彼女の有名な曲たちってどちらかといえば「勢いでなんとかしてしまう」ことが必要なもので、それは小室哲哉というサウンドが求めていたものでもあったと思います。その意味では彼女の曲たちは今日の雰囲気を作るのには「難しかった」ということなのかもしれなくて、そのなかでそれをものともせず歌いきった彼女はやっぱりすごいアーティストなんだと思います。

後半の真ん中くらいに歌っててCMにも使われてたあの曲、オリジナルなのかなあ。とってもミュージカルっぽい曲でそれがとってもはまっており、「彼女ってミュージカル出たことあるのかな、出たらかなりおもしろそう」と思いながら聴いてたな。普段のライブを見たことがないのでわからないこともありつつ、「シンガー華原朋美」の違った一面を見ることができたステージだったのかもしれません。そしてそれがとにかく素敵で、彼女自身もこれでなにかをつかめばまだまだ成長していくのかも、なんて勝手なことを思っていました。音楽ってこれだけ素敵なものなんだよ、って改めて教えてもらった気がして、ね。
(23:00追記:ああ、あれって「夢やぶれて」なのか。レミゼの曲だ、ってことは由美子さんヴォーカルで聴いたことあるはず。あの感情の入れ方もかなりよかったんだ、あれだけ出せればミュージカルでも十分通用すると思ったし)

MEMORIES-Kahara Covers-(初回限定盤)(DVD付)
華原朋美
ユニバーサル ミュージック
2014-03-12