奇跡的に争奪戦を勝ち取り、行けることになった
このライブ。日程的な心配も何とかクリアし、
ちゃんとはじめから見ることができました。彼女が
どのように音楽と向き合っているかがわかる、
いいライブだったと思います。

 ギター弾き語りもできる彼女だけに、終始Vo&Gtを
つとめ、サポートとしてGt,Va,Drと上手袖に
マニピュレーターという形をとっていました。CDに
近い音を聴かせつつ、ライブ感もきっちり味わえる
ギリギリのところに音づくりをおさえ、「ライブ」に
こだわった音を聴かせてくれたと思っています。

 それだけライブにこだわるのであれば、当然
そのうたに力が求められるわけで。それも、
「やっぱりうまいな」と思わせるのに充分な力を
持っていました。そんな意味で、彼女はこれだけ
大きくなっても「うたう」ことに全力を捧げている
アーティストなんだ、と再認識をしましたね。

 そして、少し感心していたのが、1st「FROM ME
TO YOU」からの曲が少なかったことです。
本編では「TOKYO」のみで、アンコールでは「LIFE」
「I can't say」だったかな。どうしてもあのころと
声が変わってしまっているので、個人的には
「聴きたい、けど今の声じゃ…」というジレンマが
あるんですよ。そんな意味でも、「前を向いて
生きていく」というツアータイトルに込めた意味でも、
この選択は間違っていなかったと思います。

 「私にできることは、とにかく歌うこと」とばかり、
1曲1曲を大切に歌っていた彼女。その姿勢が
あるからこそこれだけの人気があるんでしょうし、
ここまで成長してきたのでしょう。その気持ちが
ある限り彼女は歌い続けるだろうし、その姿を
応援していけるだろう、そう感じたライブでした。